拡大視野について

院長 三木雄斗
三木 雄斗(Yuto Miki, D.D.S.)
坂寄歯科医院 院長・歯科医師|ダイレクトボンディングをはじめとした保存科全般が得意な一般歯科医師
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どれだけ目が良い人でも、人間の目には「小さいものを拡大して見る能力」はありません。0.1mm、0.01mmの段差を肉眼で診査することはほぼ不可能だからこそ、歯科治療には拡大視野(ルーペ・マイクロスコープ)が必要です。この記事では、私が拡大視野を使うようになったきっかけと、ルーペ・マイクロスコープそれぞれの特徴を解説します。

※本記事は2019年執筆時点の内容をもとに、2026年に構成を整理したものです。現在の当院では高倍率ルーペに加えマイクロスコープも導入済みです(精密根管治療のページ参照)。

拡大視野を使うようになったきっかけ

こちらの記事で今度拡大視野について書くかなぁとちらっと言ってたやつです。

私が拡大視野を用いた治療を行うきっかけになったのは・・・昔、私が歯科医師になりたての研修医の時に義理の兄と以下のような会話があったからです。

~~回想~~

義兄「歯科医になったからとりあえず、拡大鏡買おうか。」

私「拡大鏡ですか?確かにあった方が良いとは思いますが、必須ですかね?」

義兄「必須だよ。視力の種類って知ってる?」

私「種類ですか?あんまり考えたことなかったです。」

義兄「一般的に学校とか眼科でやる視力検査ってのは遠距離視力ってもので遠くのものを見る能力なんだよ。で、動くものを見る能力は動体視力ね。」

私「あぁ、あるほど。確かに遠距離視力と動体視力って違いますもんね。」

義兄「そうそう。で、人間の目には小さいものを拡大して見る能力っていうのは無いんだよ。」

私「ほう!」

義兄「だからよく拡大鏡の話をしたときに、『俺は目が良いからそんなの無くても見えるよ!』っていう人いるんだけど、全く見当はずれの回答なんだよ。だってどれだけ目が良くても物を拡大してみることは出来ないんだから。」

私「あーなるほどー。だから拡大鏡が必須なんですね。歯のサイズなんて大きくても1cmちょっとしかないですもんね。」

義兄「そうそう。神経の管とかは髪の毛一本分も無いことが多いしね。てことで、買おうか。」

~~回想終わり~~

・・・という事です。

なぜ拡大視野が必要なのか

もうそのままなんですが、どれだけ目が良くっても、0.1mm、0.01mmの段差を肉眼で診査することはほぼ不可能なんです。

例えば、顔をものすごーーーくその物体に近づければもちろん分かると思いますが・・・我々が見ているのは、口の中ですので近づけてみるのにも限界があります。しかも、あまりに顔を近づけられすぎると正直気持ち悪いですよね(;'∀')

だからこそ、拡大視野が必要なんです。

某メーカーのHPで拡大視野の比較画像があったので、載せますが・・・

拡大視野の倍率比較イメージ画像|坂寄歯科医院(取手市藤代)

この画像はイメージなんですが・・・2倍拡大と5.5倍拡大で見え方が全然違うのが分かると思います。

ちなみに私は常時10倍の倍率の物を使用していますので、この5.5倍の更に倍となりますが・・・非常に大きく見える反面、視野が非常に狭くなるので、1本の歯だけが見えているという状況になります。

拡大視野を得る道具は2種類

拡大視野を得るための道具には大きく分けて2種類あります。①拡大鏡(ルーペ)②顕微鏡(マイクロスコープ)です。具体的な違いは以下の通りです。

①ルーペの特徴

②マイクロスコープの特徴

どちらが優秀か(私の考え)

どちらも使用したことがある私からすると、それぞれ一長一短がありますが・・・実際、使用するのであれば明らかにマイクロスコープの方が優秀です。

ライトが視野と同軸というのが治療する上で非常に大きいですし、録画が出来るので、時間があれば行った処置を動画で説明することが出来るのも有難いです。

ただ、マイクロスコープは扱いが非常に難しいので、テクニックが必要です。なかなか日本国内で導入されないのはこの点が大きいですね。金額は高級外車と同じくらいなのに、買っても使いこなせなければ意味がありませんからね・・・。

私が拡大視野大好きなのを知っている周りの先生方(歯チャンネル回答者の方々)からは「三木先生まだマイクロ買ってなかったの?!安いのでもいいから早く買っちゃいなよ!!」とやたらと購入を急かされていますが・・・(笑) まだ私の代になってから院内の修繕が終わっていないところがありますので、それが終わってから、マイクロスコープを導入したいと思います。(※2019年執筆時点)

追記(2026年更新): その後マイクロスコープを導入しました

本記事の執筆後、当院でもマイクロスコープを導入しました。現在は高倍率ルーペとマイクロスコープを併用し、診査・治療を行っています。マイクロスコープを使用した治療の詳細は精密根管治療のページをご覧ください。

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